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ネイチャースキーの誕生

スキーと言うと、多くの人は、ゲレンデで滑るスキーを思い浮かべます。しかし、スキーの世界は多彩で、歩くためのスキーもあります。歩くためのスキーの代表はノルディックスキーと呼ばれる北欧を中心に盛んなスキーでしょう。しかし、ノルディックスキーの道具は、スキーが誕生した北欧の平原を歩くための道具で、山国である日本の森や里を歩くための道具として不向きな面が多くて広く普及しませんでした。この欠点を克服しようとして生まれたのが、元㈱スワロ―スキーのスキー開発部員の桃井泰彦氏が考案したネイチャースキーです。ネイチャースキーでは、かかとの上がる締め具をつけたアルペン用の短いスキー板に、ノルディックスキーのクロスカントリー用の靴という道具を使います。ですから、踵が固定されて硬い靴を使う滑るためのスキー(このスキーを「アルペンスキー」と言います。)に比べて、雪の上を歩くのに適した道具の組み合わせだと言えます。しかし、この道具の組み合わせには、大きな欠点があります。それは、スキーが滑りだしたらそのコントロールが難しいということです。そもそも、スキーは、平らな雪原を歩くための道具で、その誕生期には、靴も柔らかく踵も固定されていませんでした。そのスキーを、アルプスの山の中で、コントロールしてうまく滑るために、踵が固定され、硬い靴を使うようになっていったのです。ですから、ネイチャースキーの道具の組み合わせでは滑りだしたときの、コントロールが難しくて当然なのです。その為もあって、ネイチャースキーは、発表当初はたくさん作られて愛好者も多かったのですが、傾斜の多い日本の森や里で使うことの困難さが主たる原因で、愛好者が少なくなっていきました。

新しいネイチャースキーに向けて 「ショートシールの使用」

この欠点を克服するための努力は、ずっと続けられていましたが、なかなか解決しませんでした。しかし、長野スキー協の田中梯介氏 (ネイチャースキー協会所属)からシールを使うことが提案されたことで、その克服に向けて大きく前進しました。シールというのは、スキー板の裏面に取りつけてスキーが滑り出すのを止めるための道具です。シールは、元々アザラシの皮を使っていました。これを貼ると、スキーを使って登る時に、川の表面に寝ている硬い毛が逆立って、後ろ向きに滑っていかないのです。しかし、前向きに滑っていく時は毛が寝たままですから、付けたまま滑ることができるのです。もちろん今はアザラシの皮は使いません。同じ性能を持った化学繊維で作られたものに改良されています。このシールという道具は、もともとスキーを付けて登る時に使うのですが、それを付けたまま滑る場合には、滑ることは可能なのですが、ブレーキとなってしまってゆるい傾斜の所では滑らなくなります。田中氏は、このことに目を付けて、ネイチャースキーのブレーキとして使うことを提案しました。普通、シールは登りの時にだけ使い、降りの時は外します。しかし、ネイチャースキーでは、登りも降りも外さないで、貼りっぱなしで使うことを提案したのです。その提案通りにすると、スキーを付けて立ってもスキーが勝手に滑りだすことがなくなりました。 そして、ゆるい傾斜の降りでもスキーが滑り出さないので、安心して歩くことができるようになったのです。当サイトの管理人である奥田(兵庫スキー協、ネイチャースキー協会所属)は、田中氏の提案を受け継ぎ、それを3シーズンにわたって検証してきました。その結果、傾斜が緩やかで固められていない自然の雪の中など、一定の条件を備えた森や里の中を歩く場合には、ネイチャースキーは、安全なスキーになったことを確信いたしました。ネイチャースキーは、スキーが全く初めての人でも、男女を問わず、子供から大人まで、誰でも雪の中を歩くことを楽しめる道具になったのです。

スノーウォーカーズネットのリニューアル

当サイトは新しくなったネイチャースキーを広く知ってもらい、それを広めて行くことを目的に開設していましたが、2015年シーズンから、サイトをリニューアルして、新たな展開をしていきます。あらたな展開として、滋賀県高島市を根拠地として、高島市でネイチャースキー教室などのイベントをしていきます。また、高島市は森林浴の進化形である森林セラピーの基地となっています。当サイト管理人のOKUDAは、森林セラピストであり、森林セラピーガイドとして高島市水源の森案内人でもあります。その関係で、ネイチャースキーが、高島市の冬の森林セラピープログラムとして、採用される予定です。この冬は森林セラピーと合体したネイチャースキーが楽しめるようになる予定です。また、所属しているネイチャースキー協会や全国スキー協のネイチャースキー愛好者とも緊密で幅広いネットワークを作ってその普及に努めて行きます。

このサイトで、ネイチャースキースキーに興味をもたれた方もふくめて、これからも多くの方々と、日本の冬の織りなす雪の世界を存分に楽しんで行きたいと思っています。よろしくお願いします。

スキー&スノーウォーカーズネットのリニューアル

2016年からネイチャースキーを歩き、登るだけでなく滑る道具としても捉えなおしてスキー&スノーウォーカーズネットとして、再びリニューアルしました。その中で新しい課題として「ネイチャースキー場」をつくろうということを呼びかけています。新しい展開にご期待ください。